社会福祉法人 京都ライフサポート協会
理事長 樋口幸雄
2009年1月
新年のご挨拶
皆様明けましておめでとうございます。 今年もどうぞ宜しくお願いいたします。
2006年4月障害者自立支援法が施行され、同年10月に本格実施に入り、今、同法施行に当たって付帯決議された3年後の見直しを迎えようとしています。
同法はその成立過程の拙速さ故に、理念と制度設計とのギャップが大きく、その運用に当たっての制度解釈が朝令暮改的に揺れ動くため、利用者家族も当事者もビジョンが持てないでいるのが現状です。又、新体系への移行をめぐっては、もうひとつの側面が現れてきています。移行したところ、移行しないところ、移行しようにも移行できないところと地域問題や市町村格差問題も含めて、事業者間に一種のねじれ現象が生じ、それぞれの立場によって同法に対する捉え方が違ってしまうという現実があります。そして、このことがあるべき制度に向けての今後の議論に「ゆがみ」となって現れないだろうかと懸念しています。
こうした実情ではありますが、同法の施行によってさまざまな団体個人から、そのあるべき制度についての具体的な意見表明がされたことは、今後の運動にとって大きな前進であったし、「理念倒れ」とは云え障害のある人もない人も住み慣れた地域の中で安心し働ける共生社会に必要なメニューは一応出揃ったと言えます。
肝心なことは、その中身です。どのように法制度が変わっても、本来一人ひとりに必要な支援の質や量は、変わらないはずです。問題はその質・量をどう獲得していくかにあります。それはひとえに当事者・家族の皆様方の思いの丈とその付託を受けている我々事業者のぶれないミッションにかかっている事をあらためて心に刻みたいと思っております。
昨年末に障害保健福祉関係主管課長会議が開かれ、次年度の予算案の概要説明が行われています。これに先立ち、平成21年度の介護報酬の改定率を3%とすることが発表され、障害福祉サービスにかかる事業報酬も5.1%引き上げる案が出されています。この中で利用者負担とその軽減措置に次の項目が含まれています。
・ 特別対策での利用者負担軽減は21年4月以降も継続
・ 軽減措置を適用するための「資産要件」は撤廃(現行-所有する現金及び預貯金が1000万円、単身の場合500万円)
・ 「心身障害者扶養共済給付金」は個別減免の収入認定から除外する
混乱の続く政局がらみの国会で不透明感は否めませんが、今後とも注視していきたいと思います。
2009年1月19日